K's SELF
'井川慶'本人からのメッセージをお伝えします。

2011/8/2

順調に快復しています from Trenton

肘の張りで大事をとって故障者リスト入りしていましたが、
最近ではケースバッティングで2イニングスを投げられるようになり、
ここまで順調に快復しています。
もう少しで試合でも登板できるようになると思います。

7月末の移籍期限では自分に関する動きはありませんでしたが、
これから試合で投げていき、いい成績をしっかり残していくことで注目してもらい、
チャンスが得られるようになればと思っています。

さて、女子サッカー日本代表の「なでしこジャパン」の
国民栄誉賞受賞が決まったそうで、
とても喜ばしく思っています。
自分もアメリカで全試合をテレビ観戦しましたし、
決勝戦は対戦相手がアメリカだったので、
クラブハウスはアメリカ応援ムード一色で盛り上がる中、
自分だけ「なでしこジャパン」を応援していました。

そして、彼女たちの栄冠は、
日本人の一サッカーファンとして、とても嬉しかったです。
決勝戦の彼女たちの戦いぶりからは、
どんな状況でもあきらめない姿勢が見受けられ、
自分自身、刺激を受けました。
彼女たちの精神力の強さは、
運動量の豊富さにも発揮されていたと思います。

まさか自分が生きている間に、
日本人がワールドカップを掲げられるとは思っていなかったので、
初めてアメリカを下して世界一になった「なでしこジャパン」には、
心からおめでとうございますと祝福したいです。

一方、残念なニュースも飛びこんできました。
阪神時代のチームメートで、ニューヨーク・ヤンキースの先輩でもある、
伊良部秀輝さんの訃報を、インターネットのニュースで知りました。
あまりに驚いて、言葉を失いました。

伊良部さんとは阪神のチームメート時代、よくお話させていただきました。
野球理論にお詳しく、フォームのチェックなどを繊細にされていたことが思い出されます。
いつでも向上心をお持ちの意識の高いかたでした。
同じ先発ローテーションの投手同士、一緒に優勝できたことはいい思い出です。
また、メジャーの投手の調整法を教えてくださり、
ヤンキース時代に肌で感じてこられたアメリカのお話は、
自分にとっていい刺激になりました。

自分の夢でもあるワールドシリーズで投げられたことは尊敬しています。
また、野球のお話だけでなく、世界経済の仕組みについてなど、
若くてなにもわからずにいた自分に、いろいろと教えてくださいました。
いまは心よりご冥福をお祈りするほかありません。

さて、ニューヨークタイムズ誌で自分の特集が組まれ、
それが日本にも報道されたようです。
記者が2日間熱心に自分を取材し、自分の現状を伝えてくれました。
日米含め、多くの方々に、
いまの自分が置かれている立場を理解していただける機会になったように思います。

メジャーで投げるチャンスをなかなかもらえていない状態が続いていましたが、
アメリカへ渡ってきたときの覚悟や夢は、いまでも少しもぶれていません。
あくまでもアメリカで成功することに、日々一生懸命ですし、
もしチャンスがもらえるなら、これから先も、
上だけを見て頑張っていきたいと思っています。

マイナーでの生活は、むろん厳しい部分もありますが、
あえて未熟な球種にトライできるなど、
結果ばかりを求められていては成長できない部分も、
ここではじっくり取り組むことができています。
これからも自分をレベルアップさせることに集中していき、
いつの日か、夢を成し遂げられるように頑張ります。