K's SELF
'井川慶'本人からのメッセージをお伝えします。

2009/9/10

レギュラーシーズン最終戦 from Scranton

9月6日のローチェスター・レッドウィングスの登板結果は、7回、6安打、1失点、5奪三振でした。

今季のレギュラーシーズン最終登板となったこの試合、いいかたちで終わって来年につなげることと、勝利数を2桁にすることを念頭に、マウンドに臨みました。初回の打者3人と、2回の打者2人、計5人続けて外野フライに打ち取ることができ、立ちあがりは上々でした。フライアウトが多いのは自分のピッチングができているということでもあります。

しかし2回2死走者なしから、シングルヒット3連打で1失点。走者を背負った場面で7番と8番打者に、ともに初球にタイミングを合わされてしまいました。ここは1対1の同点だっただけに、傷口を広げてしまうことがないようにと気を引き締めました。そして次の9番打者を丁寧に攻めて1塁ゴロ。3回も2安打1四球、4回も1安打1四球とピンチを招きましたが、要所で三振を奪ってホームを踏ませませんでした。チェンジアップがよかったのと、真っ直ぐでも、スライダーでも空振りを取れたことで、積極的に攻めることができたと思います。

4回までの粘り強さが、その後の展開に生きました。4回裏に味方打線が1得点すると、その1点を、5回から7回まで三者凡退で、最後まで守りきることができました。この試合はダブルヘッダーの初戦で、規定で7回が最終回になることはわかっていたので、思いきり飛ばせたことも好結果につながったように思います。最終登板を、自分一人で投げきり、結果が出せたことは、自分でも評価できます。勝ち星にも恵まれて、2桁の10勝目。9勝と10勝とでは印象が違いますし、昨年同様2桁勝てたことは自信にもなりました。

春、メジャーのキャンプでは中継ぎとしてスタートしました。残念ながらメジャーには残れませんでしたが、スクラントンでは先発として、シーズン通して投げ抜くことができました。肘が痛かったりしたこともありましたが、大きな怪我をせずにこうして最終登板を終えることができでよかったです。

今季はメジャーで投げるチャンスをもらえませんでしたが、自分のできることを、このスクラントンでしっかりとやり通すことがチャンスにつながるという思いで頑張ってきました。また来季も、与えられた役割をこなして結果を出し続けることで、チャンスはおのずと訪れると思っています。まだ最後に、プレーオフでの登板が残されています。ここでも自分らしい投球ができるように頑張ります。

それと、先日、リトルリーグのワールドシリーズに出場した選手たちと会う機会がありました。スクラントンから1時間半ほどのところで試合をしていた少年たちを、スクラントンの試合に招待してはどうかと知人に勧められ、チケットを用意させてもらいました。しかし当日の試合は残念ながら雨天中止となってしまい、せっかく少年たちが来てくれたのですが、試合を観戦してもらうことはできませんでした。

それでも、グラウンドやスタンド、室内練習場やロッカールームに案内し、プロがどういう環境でプレーをしているのか、見てもらうことができました。少年たちは、プロの選手が室内練習場で練習している姿を見て、刺激を受けていたようでした。

リトルリーグのワールドシリーズの模様は、連日テレビで放送されていました。自分も応援していましたし、自分のチームメートたちも熱心に試合を見ていました。そして自分が少年たちをロッカールームへ案内すると、スクラントンの選手たちが、少年たちと一緒に写真を撮ってもらっていたことには驚きました(笑)。

リトルリーグのワールドシリーズをテレビ観戦しながら、異国の地で、世界を相手に戦っている少年たちに、自分も共感できる部分がありました。これからも、少年たちには頑張ってもらいたいですし、そして今回のスクラントンでのことを、喜んでもらえていると嬉しく思います。