K's SELF
'井川慶'本人からのメッセージをお伝えします。

2012/5/20

一軍での登板 from Kobe

6年ぶりに日本の一軍での試合に登板しました。

5月9日の福岡ソフトバンク戦の登板結果は、
3回2/3、3安打、1失点、3奪三振でした。

ここまで3試合ウエスタンリーグの試合に登板し、
自分のピッチングにいいイメージを掴んでいました。
もう少し時間をかけて調整できればベストでしたが、
そこはこれまでの経験でカバーし、一軍ではイメージと結果を結びつけ、
チームの勝利に貢献できればと思っていました。

試合前々日にほっともっとフィールド神戸のマウンドで練習させていただき、
感触を確かめられたことで、不安なく本番に臨めました。
ブルペンではなく、わざわざ実際のマウンドで事前に練習させていただけたことに、
チームからの心遣いが感じられ、気持ちも高まっていました。
肝心な復帰初戦ですし、しっかり腕を振って投げていく、
自分のスタイルを見せていこうと思っていました。

立ちあがりを上手く打ち取ることができればゲームは作れるだろうと、初回は慎重に投げていきました。
まず、先頭打者から三振を奪えたことで、以降はテンポよく投げられました。
真っ直ぐでファウルが取れましたし、スライダーもある程度コントロールできていたので、
初回、2回と三者凡退で、しかも2つの三振と3つのフライアウトが取れたので、
自分のペースに持ちこめていることを実感できていました。

3回は、飛球が野手の間に落ちる不運な二塁打から始まりましたが、
しっかり腕を振って投げていく姿勢は変えず、なんとかピンチを凌げればと思っていました。
1死1、3塁から内野安打の間に1失点しましたが、これもゴロが飛んだコースが悪く、
詰まらせた打球だっただけに残念でした。しかし、最少失点で切り抜けようと、
3番内川選手をスライダーで空振り三振に、4番ペーニャ選手を真っ直ぐでセカンドゴロに打ち取り、
ピンチを広げることなく、この回を終えることができました。
不運な面もありましたが、内川選手の大飛球がファウルになるなど、
運はこちらにもあると、自分では思っていました。

4回も、ソフトバンクの強力打線の5番、6番をスライダーでフライアウトに打ち取れたので、
ペースを崩すことなく、いい感じで投げることができていました。
ところが、7番打者にカウント1ボールから2球目を投げたとき、右太もも裏のハムストリングス部分が、
ピキッとつったように感じました。
ベンチに下がって調べたときには、力も入っていましたし、
テーピングをすれば投げられたとは思います。
しかし、まだ復帰1戦目でしたし、この時期に無理をすることはないと判断され、
途中降板することになりました。

自分自身、いい投球ができていたので、まだ投げたい気持ちもありましたが、
無理をしてチームにもっと迷惑をかけることになってもいけないので、
登録抹消後に、もう一度体調を整え、一軍のマウンドへと戻ってこようと思いなおしました。

現在は、ランニングやキャッチボールもできていますし、
右脚のことは、それほど心配ない状態に戻っています。
時間が足りない中で、登板まで急ピッチに体を仕上げてきましたが、
今回のことを前向きにとらえ、もう一度準備期間が与えられたと思い、
仕切り直しの一軍登板に備えていければと思っています。
今度こそ、チームの勝利に貢献できるよう、頑張っていきます。