K's SELF
'井川慶'本人からのメッセージをお伝えします。

2012/10/14

シーズン終了 from Kobe

シーズンが終了し、すでに来季へ向けてのトレーニングを開始しています。
体力アップなど、いまはベースとなる体作りに励んでいます。

今季は、シーズンを通して活躍することができず、
怪我で投げられない時期もありましたし、不本意なシーズンでした。
チームやファンの皆様には、申し訳なく思っています。

来季は、まずは体を完全復調させ、万全の状態で開幕を迎えられるよう、
しっかり準備していきたいと思っています。
そして、アメリカへ行ったことでプラスになった部分をお見せし、
シーズンを通して活躍することを念頭に、
これから必死にトレーニングをしていくつもりです。

さて、前回お伝えしましたとおり、
高校時代の恩師である水城高校野球部の橋本実監督と、
パーソナルトレーナーである添田隆也さんがご逝去されました。

橋本監督からは、今年2月にお目にかかったとき、
お体の調子がよくないこと、そして、おそらくこれが、
最後の面会になることを告げられていました。

自分の所属チームが決まっていなかったその2月、
「日本でやるのもいいんじゃないか」と監督はおっしゃってくださり、
日本復帰へ背中を押してくださいました。
また日本で活躍する姿をお見せできなかったことが、残念でなりません。

いつも監督は、自分と長峰昌司選手のことを気にかけてくださっていました。
「妥協をせずに、自分を律しろ」というお言葉をいただき、
その精神は、いつでも自分の胸にあります。
これからも、天国の監督に見守られているつもりで、
妥協をせず、自分を律し、精進していきたいと思っています。

そして、監督のご逝去から1週間も経たないうちに、
添田さんが急逝されたことを知り、驚くとともに、
いまでも信じられないような気持ちです。

亡くなる直前に、橋本監督のご逝去へのお悔やみや、
次回の登板日を訪ねられたメールをいただいており、
そのメールに返信する間もなく届いた訃報に、言葉を失いました。

添田さんとは、プロ入り4年目からのお付き合いで、
以来ずっとパーソナルトレーナーをしていただいていました。
オフのトレーニングは、「維持」ではなく、
肉体的にベースアップさせたいという自分の意向を、
添田さんはしっかり聞いてくださり、
いつでも一緒に練習に付き添ってくださいました。

オフは家族よりも長い時間を一緒に過ごし、
思い出は、とうてい語り尽くすことができません。
お仕事に真面目で、一生懸命で、
阪神時代、毎年200イニングスを投げられたのは、
添田さんあってのことだと思っています。
そして、「いつかはメジャーへ」という夢を共有してくださって、
二人三脚で歩いてきました。

アメリカでなかなか活躍できずにいるときも、
アメリカに機材を持ちこんで、自分の体をケアしてくださいました。
野球の話はせず、他愛ない話を選んでくださり、
温和で優しい性格の添田さんには、
体のみならず、心までリセットしてもらっていました。

お二方のご冥福を心よりお祈りするとともに、
来季は、お二方にご安心していただけるような活躍ができればと思っております。