K's SELF
'井川慶'本人からのメッセージをお伝えします。

2010/7/18

前半戦総括 from New York

オールスター・ブレイクのため、3日間、ニューヨークの自宅で過ごすことができました。そして、この短いオフの間に、31歳の誕生日を迎えました。誕生日に試合があれば、クラブハウスでメンバーやスタッフたちから祝福されることもあるのでしょうが、いつのまにか年をとって、休暇明けにみんなと再会するというのが、渡米以降の毎年のパターンです。

年をとるごとに、誕生日のことをあまり気にしなくなってしまう感じです。もう31歳、若いとはいえない年齢になりましたが、少しでも長く、いままでどおり野球を続けていけるよう、これからも、しっかり体のケアをしつつ、トレーニングに励んでいきたいです。

オールスター・ブレイク中は、ニューヨークで、集中的に歯の治療をしました。春のキャンプ中に、ハンバーガーレストランで料理を待っているとき、フリーで置いてあるピーナッツを食べていたら、奥歯が欠けてしまったのです。シーズンが始まってしまったので歯医者さんへ通えずに困っていましたが、この休暇で、ようやく治療を始めることができました。お世話になっている女医さんは、アメリカ人ですが日本語が流暢で、日本語でコミュニケーションをとりながら治療していただいています。スポーツ選手にとって歯は大切ですから、しっかり治療して、後半戦に臨みたいです。

さて、サッカーのワールドカップ、約1カ月間の戦いが終わってしまい、いまは少しさびしい気分です。次のワールドカップまでは、4年もありますから。決勝戦は、スペインが制しましたが、自分は大会前から、スペインの活躍を予想していました。世界最高峰のリーガ・エスパニョーラで磨かれた、いろんな意味での強さが、ワールドカップでも随所に見られました。オランダとの決勝戦でも、かなり厳しい守備をされながらも、しっかりボールをキープして、見事な中盤構成を披露してくれました。

世界の一流の選手たちが、体を張って、勝利のために必死になる姿には感動しました。世界の舞台で戦っているアスリートたちは、サッカーに限らず、みなチャレンジャーだと思います。平坦な道を選ばず、あえて険しい道を選ぶことは、人には難しいことだと思います。サッカーでは、たとえばJリーグを見ても、そうした世界へ飛び出してゆく選手たちを、快く送り出して、みんなで応援しようという雰囲気があります。今回のワールドカップを戦った日本代表選手たちのなかからも、また多くの選手たちが海外へ挑んでいくようです。そうした選手たちの選択は、自分にとっても励みになりますし、共感を覚えます。自分も、メジャーリーグという、野球にとっての最高の舞台で活躍できることを目指して、これからも頑張っていきたいです。

今年の前半戦は、体の調子も、ピッチングも悪くなかったので、ここまで振り返って、まずまずだったかなと思っています。ただ、今年、自分に与えられている役割はロングリリーフなので、なかなか登板機会に恵まれず、短い投球回数のため、少しの失点で防御率が悪くなってしまっていることが残念です。

いまは、チームの先発陣が好調で、早い回に崩れることが少なく、なかなか自分に出番がまわってきません。チームの考えや、自分に求められていることは理解できていますが、できれば、もっと多く投げたいというのが正直なところです。しかし、こればかりは自分でコントロールすることができないので、チームのために、毎試合、いつでも登板できるように待機しています。

自分という投手を客観視したときに、短いイニングで勝負するよりも、長いイニングで良さが出てくる投手だと認識しています。長いイニングを投げる体力や、肩の強さには自信があります。自分のなかでは、そうした自分の長所を、今後も活かせればと思っていますし、そのためには、これからも結果を残してゆくことが重要になります。

突然先発登板を言い渡されるなど、難しい状況下での登板もあったりしますが、打者と対戦する感覚を忘れないよう、登板機会を与えていただけていることに感謝しています。今年は、自分にとって、試合で打者一人一人と対戦することも、実戦でありながら、トレーニングの一環であるという捉え方もして、自分を向上させていこうと思っています。いろんなタイプ打者たちを、いろんな球種、いろんなコースで打ち取ることで、来年以降の肥やしにできるよう、日々、勉強しています。

昨年は、夏場以降に肘の調子が悪くなってしまったので、今年はインナーマッスルの強化などにも積極的に取り組み、最後までいい状態を保ちたいです。登板間隔がかなりあいてしまったり、チームのトレーニングでは個人メニューが少なかったりするので、自分で肩や肘にいい刺激を与えつつ、試合もこなしていきます。

来年は、自分にとって、チームとの契約最終年です。もちろん、最後のシーズンの戦績が、その後にとってとても重要なことは理解しています。それだけに、来シーズンのためにも、これからの後半戦を有意義に過ごし、気持ちを高めて、一試合一試合臨んでいきます。後半戦も、応援よろしくお願い申し上げます。