K's SELF
'井川慶'本人からのメッセージをお伝えします。

2009/6/9

球が走ってきました from Scranton

5月29日のルイビル・バッツ戦の登板結果は、7回、2安打、無失点、5奪三振でした。

前回もルイビル相手にいい投球ができたので、そのイメージをもってマウンドに臨みました。しかし初回、コントロールが定まらず、先頭打者に四球。一死後の内野安打で、いきなりピンチを迎えました。4番打者相手にフルカウントまでいき、サインに首を振ってスライダーを投げました。狙いは内野ゴロでのダブルプレー。この打者がスライダーに相性がよくないことはわかっていたので、実際にこの場面でも、もくろみどおり一塁ゴロでダブルプレーに打ち取ることができました。結果的には、このダブルプレーが、その後のリズムに好影響しました。

2回以降は、ランナーを出しても進塁を許さず、打線を「点」でとどめさせることができました。最近真っ直ぐが走ってきて、チェンジアップやスライダーのコントロールもいいことから、安定してゲームを作ることができています。この試合では、要所で三振を奪えたことも、テンポのいい投球につながったように思います。調子がよかったので、こういう試合で防御率を下げにいくため、8イニングス以上、120球くらいまでは投げさせてもらうつもりでした。しかし7回裏の味方の攻撃が長かったことから、7回で交代となりました。日本時代なら完封ペースの試合ですが、アメリカは投手に無理はさせません。7回を無失点に抑えられたことで、チームに貢献できてよかったです。

6月4日のシラキュース・チーフス戦の登板結果は、5回1/3、7安打、4失点、7奪三振でした。

シラキュース打線はよく打つイメージがあっただけに、初回から丁寧な投球を心掛けました。まして前回ルイビル戦の登板では、先頭打者に四球を与えていきなりピンチを招いていたので、なおさら慎重に試合に入っていきました。その甲斐あって初回、2回と三者凡退で3奪三振。上々の滑り出しでした。

この試合も真っ直ぐの走りがよく、チェンジアップのコントロールもまずまずでした。しかしスライダーが効果的に使えず、苦戦を強いられてしまいました。3回、内野安打3つという、打ち取っているのに運が悪いとしかいいようがない状態で満塁になり、3番打者を迎えました。まだ試合前半でしたし、大量失点は避けたい場面だったので、真っ直ぐで勝負してガツンと大きな当たりをされるより、じっくりと攻めました。結果、押し出しの四球。でも、その直後の4番打者からは真っ直ぐで三振を奪えたので、最少失点で切り抜けられてよかったです。

この試合では、4回に2失点、5回にも1失点し、計4失点してしまったのですが、たとえ打たれても、なんとか試合を壊さずに被害を食い止めようと、自分の持ち味である粘り強さを出しました。それに、この試合では2つのピッチャーゴロをうまくさばくことができ、春から練習してきた守備面の成果が出せて、インディアナでの失敗を取り返せたのも好材料でした。球は走っているし、好調維持できているので、6月は防御率をもっとよくできればと思っています。