K's SELF
'井川慶'本人からのメッセージをお伝えします。

2009/6/23

青いグローブでの白星 from Scranton

6月11日のグウィンネット・ブレーブス戦の登板結果は、3回1/3、8安打、4失点、4奪三振でした。

初回、いきなり先頭打者にヒットを打たれたのですが、送りバント失敗とダブルプレーで無失点。2回も、2つ三振を奪うことができ、立ちあがりは上々でした。真っ直ぐが走っていましたし、変化球も低めにコントロールできていて、試合を通じていい投球ができるかなと思っていました。

しかし3回、三振で1アウトを取った後、ポテンヒットなどで1死1、2塁となり、セカンドフライで2死までいったのですが、そこから失点してしまいました。レフトへの当たりを、一塁走者を刺そうと試みた外野手が走者を見過ぎてしまい、球を弾くエラーの間に2人がかえって2失点。このエラーは、外野手の積極的なプレーから生じたものなので仕方ありません。

ですがこの後、4番打者にヒット、5番打者に2塁打されてさらに2失点。5番打者の打球は、フルカウントからチェンジアップでうまく打ち取ったと思ったのですが、打球がレフトライン際にポテン。2点だけで抑えたかっただけに残念でした。さらに4回、バントでの内野安打と、エンドランをかけられて打球が野手の正面をついたにもかかわらず逸らしてしまうという不運でピンチを招き、1番打者を敬遠したところでマウンドを降りなければなりませんでした。まだ序盤でしたし、満塁にして降板することは心残りでしたが、これも仕方ありません。

降板後にベンチで監督から「アンラッキーだった、勝つには運も必要だから」といわれ、そのとおりの内容だったと思いました。相手打線は運を味方にした勢いがあり、それにのまれてしまった感じです。でも、自分の投球自体はストライク先行で攻められました。それに、降板後の満塁のピンチを後続の投手が無失点で切り抜けてくれて、その後チームが逆転して勝ててよかったです。

6月16日のトレド・マッドヘンズ戦の登板結果は、6回1/3、6安打、2失点、8奪三振でした。

この試合では日本の平林岳審判が三塁線審を務めていて、試合後に初めてご挨拶ができました。選手と審判、立場こそ異なりますが、メジャーを目指すという目標は同じです。これからお互い、まずはこのトリプルAで頑張っていければと思いました。

この試合は、真っ直ぐの出来が最近では一番よく、しかも変化球も低めに集められていたので、いい投球ができました。2回、5番打者に対してカウント1-3からレフトへソロホームランされましたが、その後は6回までその1失点のみで、毎回三振を奪うことができました。試合前のミーティングで、三振が多いチームだと知らされたので、2ストライクに追い込んでからは、積極的に三振を狙っていき、その結果8奪三振。うまくファウルで追い込めたり、スリークウォーター気味からスライダーを投げて目先を変えたり、ノーサインからの外角真っ直ぐが決まったりと、各所でいい内容の三振を奪うことができました。

7回、1死1、2塁から、8番打者を迎え、この打者はここまで9本塁打と一発があるだけに警戒し、甘く入らないように変化球を低めに集めましたが、結果的に四球で満塁。ここで降板となり、2試合続けて3人の走者を残して交代しなければならないことはとても残念でしたし、反省しなければならないと思いました。ですが後続の投手が、一塁ゴロの間に1点を失っただけで抑えてくれて今季6勝目。防御率も3点台に収まってよかったです。

3試合前から、グローブを黒から青に変更しました。黒いグローブは、一部グレーを用いていたため、ツートンカラーはNGだと審判から警告されていたので、青に変えました。青は、日本時代から10年以上も使用してきた馴染みのカラーです。アメリカ人からは、ヤンキースカラーじゃないといわれたりしますが気にしていません。この試合で、ようやく青いグローブで勝つことができたのでほっとしています。これからもこのグローブで、たくさんチームに貢献できるプレーができればと思っています。