2007/10/17
シーズンを終えて from New York
2007年のシーズンが終了しました。今年はメジャーリーグへの移籍があり、ニューヨークへの転居があり、慌ただしいシーズンでした。生活も変わり、新チームでのアメリカの野球への対応が求められる中、得るものがとても多く、自分自身大きく成長できた1年ではなかったかと思っています。
結果を出してチームに貢献するという点では、満足いかなかったことは確かです。しかし、言葉が通じない中で、チームに溶け込み、チームメートと信頼関係を築き、マイナーのチームでもいろんな経験をできたことは、自分にとっては大きなプラスだったと受けとめています。
日本にいたときは、活躍しなければならない、ケガをしてはならないという責任感が強く、それが重荷になっていた部分もありました。しかしアメリカでは、底辺から這い上がっていこうという挑戦者の気持ちで野球に打ちこむことができました。プロになったばかりの10代のような純粋さで、がむしゃらに挑めたマイナーでの日々において、あらためて野球の楽しさを実感できました。それは、日本にいては、決して味わえなかったことだったとも思います。底辺を知り、そこから頂点を目指そうと思えた今は、人間的にも一回り大きく成長できたのではないかとも感じています。
このオフは、しばらくニューヨークで体を休めています。ランニングやジムでの軽いトレーニングはこなし、来季に向けての下地作りはしつつ、シーズン中はあまり散策できなかったニューヨークの町を満喫したいです。今年はヤンキースの一員としてあまり活躍できなかったので、町で声をかけられることはないだろうと思っていました。ところが松井さんや王建民選手と間違われることもなく、「来年は頑張って」などと、励ましの声をいただいたりすることもあります。驚きましたし、嬉しくもあり、来季は勝利に貢献できるように頑張ろうと思っています。
コロラド・ロッキーズのナショナルリーグ優勝の快進撃は、ときどきテレビで見ていました。ワイルドカード決定戦からの戦いぶりからは、チームが一丸となっている強さを感じました。そして、松井稼頭央さんのご活躍が原動力になっていることは、同じ日本人選手として誇りに思います。稼頭央さんは、ニューヨークでつらい思いをされながら、そこから這い上がって世界一に挑むチャンスを得ています。そんな稼頭央さんの存在は、自分にとっても励みになります。稼頭央さんを見習い、いつかは自分もあのステージへ到達したいですし、それにはまず来季、メジャーのローテーション投手の座を真剣に奪うつもりで挑戦しなければならないと思っています。