2017/10/1
西ノ島での登板 from Nishinoshima
まず、9月8日の06ブルズ戦の登板結果は、
7回2安打9奪三振でした。
この試合は勝てばリーグ優勝が決まるということで、
選手たちは高いモチベーションで試合に臨んでいました。
自分としても、久しぶりのナイトゲームですし、
準備期間もしっかりとれてコンディションも良く、
好条件が揃っていたので、ぜひ勝利に貢献して、
リーグ優勝をみんなで喜べればと思っていました。
この試合の2日後に予定されている、
島根県西ノ島での遠征の際も、
ぜひ登板して欲しいといわれていたため、
できればこの試合は長いイニングスを投げるというよりも、
大量点があればその時点で交替するつもりでした。
すると初回、いきなり味方打線が3得点してくれて、
その点差によって相手打線も淡泊になってくれるだろうし、
このまま楽に逃げ切れれば理想的だと、
その時点では試合を楽観視していました。
ピンチは初回だけで、7回を投げて打たれたヒットは、
自分のベースカバーが遅れた内安打1本と、
センター前の2本だけという、まったく問題ない内容でした。
チェンジアップを久々に多めに投げて、
相手打線が見慣れていない球種だったこともあり、
それがうまくはまって、9奪三振につながりました。
6回には、味方打線がさらに3点を追加し、
6対0となっていて、2日後の登板予定もあったので、
完投はすることなく、余力を残して、
7回を投げきったところでマウンドを降りました。
しかし、そこから野球というゲームの怖さを再認識させられました。
7回も三者凡退でマウンドを降りて後続投手に託し、
自分はベンチから優勝の瞬間を見守るつもりでいました。
そして、さらに点差が開いて7対0となったのですが、
最終回に若い投手たちが相手打線に掴まってしまいました。
こちらの野手の失策もからんで、
あれよあれよという間に同点に追いつかれ、
5人の投手を投入しても、
相手の流れを食い止めることができませんでした。
結局は最終回だけで10失点し、
試合には勝てず、優勝もお預けとなってしまいました。
負けた結果はもう仕方ないことですし、
こうしたことも、今後の糧としてもらえればと、
気持ちを切り替えていこうと若手選手に話しました。
幸いにも、翌日には西ノ島へ向けて移動日で、
悪夢のような夜のことは忘れ、
みんなリフレッシュできていたようでした。
西ノ島へは、車で3時間、
さらにフェリーで2時間半かけての移動でした。
兵庫と和歌山の2チームが同じ宿に泊まり、
同じ観光をして、そして球場では敵となって戦うという、
微笑ましい遠征となりました。
到着した夕方、島の人々や、
地元の高校生が集まってくれて、監督と自分とで、
トークショーをやらせていただきました。
1時間ほどのトークショーだったのですが、
自分の経験を話すと、兵庫や和歌山の若手選手たちも、
耳を傾けてくれていて、彼らにとっても、
有意義なことを話せたらという気持ちも出てきました。
西ノ島は食事が美味しいと事前に聞いていましたが、
想像以上のご馳走をふるまっていただき、
海の幸、特に生牡蠣は絶品で、
若手選手たちもとても喜んでいました。
翌日は中1日での登板となったのですが、
西ノ島の人々は普段プロ野球を観る機会はあまりなく、
自分の投球を楽しみにしてくれていると聞き、
2イニングスだけでしたが、体の状態を気にかけながら、
一生懸命投げさせていただきました。
和歌山は左打者が多くて助かりました。
ストライク先行で早めに追い込み、
球数を少なくして、真っ直ぐとスライダーだけで、
打者6人を無安打無失点、4奪三振という結果でした。
試合は仲良く2対2の引き分けで終わりました。
若手選手たちと遠征が楽しめてよかったですし、
西ノ島の美しい自然も見られて、
素晴らしい機会を与えていただいた関係者に、
とても感謝しています。