2007/10/1
予定外の先発登板 from Tampa
9月25日のデビルレイズ戦の登板結果は、5回、2安打、無失点、2奪三振でした。
前回の緊急リリーフ登板後、もう今季は実戦マウンドに上がる機会はないだろうと思っていたところ、デビルレイズ戦の試合前日に、突然先発を言い渡されました。気持ちも体もまったく用意していませんでしたし、ほとんどぶっつけ本番の状態で試合に臨むことになりました。それでも、今季最後の先発登板になるので、試合を楽しむことと、そして、後悔しないように自分の思ったとおりに投げてみることの2点を念頭に置きました。
初回、いきなり岩村選手との対戦で、初球、2球目と真っ直ぐが思ったところへコントロールできず、不安定な立ち上がりでした。3球目もボールぎみの球だったのですが、外野フライに打ち取れてまず1アウト。しかし2番、3番打者にも制球が定まらずに連続四球。先発登板は9月6日以来19日振りで、正直なところ、ストライクを取るだけでも苦労している状態でした。1死一、二塁のピンチで4番、5番打者相手に、スライダーでどうにかカウントを稼いで真っ直ぐ勝負。連続三振を奪えてピンチを切り抜けられたことには、少しほっとしました。
2回も四球を出しながら、次の打者が2塁ライナーでダブルプレー。この試合は運だけがよかったような試合でした。3回も岩村選手とペーニャ選手にヒットを許し、4番アップトン選手には四球で満塁。もし、ここで打たれていたら、まだ同点でも交代だったと思います。
コーチがマウンドへ来て、ゆっくりしたフォームで、フォロースルーをしっかりとって投げるよう指示してくれました。間を取ってくれたことで、悪いリズムを変えられましたし、もういちど精神的に攻めの気持ちで投げようと思うことができました。ヤング選手にはファウルで粘られながらも、最後はスライダーを投げてセンターフライに打ち取り、最大のピンチを無失点で切り抜けることができました。
4回も四球を許すなど不安定でしたが、チェンジアップで内野ゴロに打ち取るなどして、どうにか無失点に抑えました。ようやく思ったところへコントロールできるようになった5回は三者凡退で終えることができ、最終的には5回2安打無失点という結果に恵まれました。
制球力が定まらない中、それでも球が走っていたことや、わざと力を抜いた真っ直ぐで緩急をつけて工夫をするなどして、粘り強く投げられました。捕手のサインには首を振ることが多かったですが、自分の球を信じ、心強く思って好きなように組み立てて投げられたこともよかった点です。
降板後にはベンチで、監督、コーチ、そして選手達が笑顔で迎えてくれました。マイナーから一緒にやってきたダンカン選手も、強く握手して投球を労ってくれました。最後の先発登板をこのような結果でしめくくることができてよかったです。来季は、1試合でも多くチームに貢献できればと思っています。
試合前日は、恒例行事となっている新人選手が仮装して遠征に出発する「ルーキー・ラギング・デー」でした。自分の服は「オズの魔法使い」に登場する羽の生えた猿らしいのですが、「オズの魔法使い」を知らないので、あまりピンときませんでした。事前に聞かされてこの行事を楽しみにしていたのですが、この直前に翌日の先発登板を告げられたため、頭の中は試合のことでいっぱいで、楽しみが半減したことが残念でした。でも、シーズン終わりにこうしてメジャーの一員に戻り、この行事を迎えられたことを喜ばしく思っています。